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個展に寄せて

 


                      内田 園生  美術評論家連盟会員。元駐ヴァチカン特命全権大使

 ローマに滞在三十三年の江花さんが四年振りに個展を開くことになったが、その間に本人の病気や御父君の逝去など苦しい経験があった。これらの苦しみから立ち直った今、「希望」を表現してみたいと願って描いたという江花さんの新しい画は、どう変わったのだろうか。数点のカラー写真から判断したところでは、従来、江花さんの画の魅力であった詩的、音楽的雰囲気が一段と高まっており、構成も運動感に溢れたものが多いように見える。しかも、決して空間感覚を見失うことがないのは流石である。今回の作品で特に注目したいのは、透明感のある青と黄色が多く使われていることである。フラ・アンジェリコの青、ルオーの黄色は、其の宗教的な希望を暗示する色彩なのだ。

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